白河ま日記(仮)

あたまわるいぶんしょうかくよ

2006年08月26日『美術が「わかる」わけではないが』

熊本市現代美術館|生人形と江戸の欲望展、反近代の逆襲II

一昨年に開催された第一回目を思い出す。妙に印象に残っているのが、いくつかの人形の前に硬貨が置かれていたこと。『谷汲観音像』や『聖観世音菩薩像』はともかく、老夫婦の全裸像(皮膚のたるみがいかにも)や少女の頭像(大変可愛らしい)その他にまで。出来に感動した人々が置いていったのだろうな。硬貨の量でどの人形が人気を集めているかがわかる気がした。

で、今回は展示物もだが硬貨の山も楽しみにしていたのだ。フツーの美術展でこんなモン見られないし。
ところが目にすることが出来たのは『野見宿禰当麻蹶速』ただ一ケ所に一山だけだった。えー? 今回は人気あんまりないの? なんか寂しい。

単に美術館の人が片付けたのかもしれんが。
なお、もう一つの目玉『スティベルト博物館収蔵の武士像』は、収納ケースの前に硬貨を置ける場所が無かった(はず)。

とにかく、ほぼ等身大の人形は、その大きさで見るとやはり凄い。ミニチュアサイズのものも、なんか凄いことになっとるし。

それから復刻版とはいえ、写楽大首絵、歌磨呂美人画富嶽三十六景、東海道五十三次があったのは良かった。展示も壁掛けでなく見やすかったし。プロセスカラー印刷の図版などでは全くわからなかった、雲母(多分)や空摺り(多分)や微妙な色使いを見られたのは嬉しい。

他にも色々あって、気に入ったものも色々あるんだけど省略。


で。 この浮世絵と武士像の展示室にはBGM(?)が。 ずーっと「ええじゃないかええじゃないかええじゃないかええじゃないか・・・」エンドレス。 これって再現度どのくらいなんだろ。 まさか当時の録音なんて無いだろうし。


あとな。 18歳未満立ち入り禁止コーナーがありまして。 春画があったヨ。全部台詞入り。局部は四角く切ったフェルト布で隠してありましたが。一枚ずれてました。 誰かが一所懸命ずらしたのかな。 江戸の欲望は現代の欲望でもあるんだな。