白河ま日記(仮)

あたまわるいぶんしょうかくよ

2008年11月06日『私とナイト(騎士)願望と・1』

※簡単にいうと「誰かを守りたい願望」か?
白馬の王子様や騎士様が現れて自分がパートナーに選ばれるのを夢見ることも「騎士願望」と言うらしいが、それとは全く異なる。

小学5、6年生のころ

同じクラスに二人の美少女がいた。 一人は成長すれば和服姿が映えそうな、長い黒髪が似合う少女。 一人はぱっちりした目が印象的な、西洋人形のような少女。 ある日二人は同じクラスのある男子からイタズラ(性的ではない)をされていた。 小学生男子によくある、好きな子にちょっかいをかけるというアレだ。 それを見ていた私は、何故だか二人を守らねばという使命感を持った。 あの男子が二人にまた何かをしないように、見張らねば。 そうして下校時になり、男子の方を見失った私は、並んで帰宅する二人の少女の後から離れて尾行していった。 二人は友人同士でもあったのだ。 ふと、二人がこちらを振り向き、なにやら互いに話している。 二人の足は速まり、すっと角を曲がった。 私はまかれてしまったのだ。 あの男子よりも、私の「奇行」の方が彼女らに恐怖感や嫌悪感を与えたようだ。 勝手な思い込みで「守ろう」など、相手にとっては迷惑なこともあるのだ。 そう私は学習した。

20歳ごろ

飲み会の帰り。 酔っぱらってふらふらの男の先輩が、私を女子寮まで送るといってきかない。 確かに女子寮までの道は暗く人通りが少なく安全とはいいきれぬが、足元もおぼつかない人間に何ができるというのだ。 いらぬと断るが、しつこく送るという。 その先輩は後輩がかわいくて仕方ない質なのだ。 男女問わずかわいがる(性的にではない)人なのだ。 ほっといて横断歩道を渡ろうとしたが、よろよろついて来られて車道で転ばれても面倒だ。 いたしかたない、気が済むように送ってもらおう。 女子寮につく頃には少しは酔いもさめ、先輩一人で歩いて帰れるだろう。 そう考えて、先輩に肩を貸しながら夜道を二人歩いていった。 酔った先輩は上機嫌でこんなことを言い出す。 「暴漢が襲ってきたら、ばったばったと倒す!ああ、青春だなぁ」 気持ちはわからなくもない。 それが自分にもできるのならば、そんなシーンに憧れなくもない。 でもな、先輩。それ、無理だから!!! 酔っぱらいが暴漢に立ち向かえるはずもなし。 相手が複数ともなればなおさら。 「玉と竿がぶら下がってるだけで誰かを守れるなんて思ってんじゃねえ!」 共感とは別に、不快感が腹のなかでグツグツしてきた。 もし現実に襲われたら、私は先輩を放り出して逃げよう。 そう心に決め、酔っぱらいをかばいながら歩く私であった。


<つづく>